
ドル円相場の1日に動く値幅の平均値を出したくて、「検証プログラム」を作るつもりだったのですが、「ATRで代用すればおおよその値幅が出せるのではないか」と考えました。
ATRの計算式(日足の場合)
(1) 真の変動幅(True Range:TR)を計測する。
1.当日の高値-前日の終値
2.前日終値-当日安値
3.当日の高値-当日の安値
この3つの値の中で「最も数字の大きいものがTR」となる。
(2) TRの平均値を計算する(ATR 14の場合、14日分のTRの平均値)
この平均値がATR(Average True Range)
私は「当日の高値-前日の安値」のみで計算しようとしていたので、計算式は少し異なりますが大きな問題ではないでしょう。
超長期ATR(ATR 1000)
冒頭の画像を見ていただけるとわかると思いますが、2022から現在(2025年10月末)までずっとATRが上昇し続けています。
つまり、1日の値幅が上がり続けている=ボラティリティが増大し続けているということです。
何が原因なのか‥? AIに問い合わせてみました。
- 日米の金利差拡大
- 為替介入と政策の不確実性
- 地政学的リスクの高まり
- 投機資金の流入
金利差の拡大は解説する必要は無いでしょう。
為替介入、政策の不確実姓(政策発言、口先介入)については一時的なものだと思うので、超長期的に見たATRへの影響はあまり無いように思います。
地政学リスク、ウクライナ戦争や台湾情勢も関係あるとは思いますが、超長期的に安定して上昇する要因にはならないと考えます。
これが原因であればユーロドルもボラティリティが増大し続けるはずですが、ユーロドルのチャートではボラティリティが低下している期間があります。

投資資金の流入、これは私も考えていました。どんどんトレードしやすい環境が整備されて、資金が流入していっているのではないか。
あるいは、AIによるトレードが活発化してボラティリティが増加したか。
ただ、これが原因だとすると他の通貨ペアでも同じような結果になるはずです。
しかし上図のユーロドル、そして下図のポンドドルはそのような結果になっていません。

クロス円について
ユーロ円やポンド円はドル円に引っ張られているのか、ドル円に近い形になっていました。
ユーロ円

ポンド円

その他の通貨ペア
豪ドルやスイスフランなども見てみましたが、綺麗にATR(1000)が上昇しているのはドル円だけでした。
他にボラティリティが上がっていそうな物といったら・・・ゴールドでしょう。
大きく動くことで「ゴルスキャ」といった呼び方で重宝されているようです。

ドル円ほどではありませんが、特に2005年に入ってからのボラティリティが凄まじいですね。
2011年調査との比較
- ドル円は平均0.8円程度動く。
- クロス円は平均1円~1.2円程度。ポンド円のみ1.6円動く。
これが2011年の調査での記載ですが、現在は大幅に変わっていて
- ドル円は平均1.3円以上動く
- クロス円は平均1.3~1.4円程度、ポンド円のみ1.7円動く
という感じで、ドル円もクロス円もほとんど差が亡くなっており、ポンド円のみ少しボラティリティが高い点は変わっていないようでした。
元々「グリッドトレード系システム」での値幅設定の参考になるかなと考えての調査でして、ボラティリティが上昇しているということは「より稼ぎやすくなっている」のではないでしょうか。
なお、「グリッドトレード」や「グルグルトレイン風」のトレードを半自動化するツール「GridRepeaTrain」を開発しましたので、よろしければそちらも御覧ください。



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