単純移動平均(SMA)

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単純移動平均(Simple Moving Average : SMA)とは、重み付けの無い単純な平均値のこと。

5日単純移動平均といった場合、その日から5日間の値を平均した値となる。


【計算式】

5日単純移動平均 = (当日価格+1日前価格+2日前価格+3日前価格+4日前価格) ÷ 6


単純移動平均の値を時系列で並べ、それを線で繋げたものを単純移動平均線といい、トレンドの方向を見る指標として使う。(線の傾きによってトレンドの方向を見る)

以下に、移動平均線の例を示す。


これはユーロ/米ドルの2010年11月~2011年3月のローソク足チャートに20日移動平均線を付加したものである。

2011年1月中旬までは下落トレンド、その後は上昇トレンドへと転換しているのが一目で把握できる。

短期移動平均として5日、中期移動平均として20日(または25日)、長期移動平均として75日を用いることが多い。
(短期的な視点、中期的な視点、長期的な視点で見た場合、と使い分ける)

また、移動平均線をレジスタンスラインやサポートラインとして使用する方法もある。
上昇トレンドの場合には「サポートライン」として、下降トレンドの場合には「レジスタンスライン」として利用する。

先ほどのチャートに「レジスタンスライン」や「サポートライン」として機能したと思われる箇所にマークを入れてみた。

※赤い上矢印がサポートライン、青い下矢印がレジスタンスライン


 

移動平均はテクニカル分析としても使う。
売買シグナルは以下のようになっている。

(1) 終値が単純移動平均を下から上へ抜けた場合、買いシグナル

(2) 終値が単純移動平均を上から下へ抜けた場合、売りシグナル

以下に例を示す。


ここでは、赤い矢印が買いシグナル、青い矢印が売りシグナルで表示されている。
途中、何度かダマシにあっているが、最後にはトレンドに乗って大きな利益が出ている。

ダマシが気になるようであれば、日数を増やすと良い。(20日移動平均でなく、25日移動平均を使用してみる等)


 

(3) 5日移動平均が20日移動平均を下から上に抜けた場合、買いシグナル

(4) 5日移動平均が20日移動平均を上から下に抜けた場合、売りシグナル

以下に例を示す。(2011年1月~3月 ユーロ/米ドル)


先ほどの価格を利用したシグナルとほぼ同じだが、5日移動平均線を使うことで動きが滑らかになり、瞬間的な上昇・下落によるダマシの回数が減る。(残念ながらこの例からは確認できないが)

その代わり、(平均を使用するため)売買シグナルの発生は遅くなる。

次に、上記の例では確認できなかった「価格のクロスでダマシが増えるケース」を紹介する。

まずは、移動平均線によるシグナルの場合 (2011年12月~3月 米ドル/円)


ダマシは左から2番目の矢印(買いシグナル)と、その次の買いシグナルである。

価格が20日移動平均線を越えた場合

先ほどのユーロ/米ドルの例では、「多少、価格を利用したトレードの方が有利」であったが、この米ドル/円の例では「移動平均線同士のシグナルを利用した方がダマシが少なく有利なトレード」となる。


 

移動平均によるトレードは「トレンドに乗る」事ができる分析手法である。
以下に、長期的なトレンドに乗って利益を拡大できる例を載せる。

☆長期的な下落トレンドに乗っている例


ズルズル下げて、『多くの素人投資家が悲鳴を上げていた』ような状況の中で、移動平均線によるシグナルでトレードをしていれば「ノンビリ利益が膨らんでいくのを見ているだけで良かった」という事になる。
(日本政府による為替介入(2010/9/16)でダマシが発生してしまったが・・・)
※ 最初(左端)の売りシグナルは1米ドル約90円。そこから80.24円まで下がっている。


 

単純移動平均よりも直近の価格を重視する(直近の価格にウェイトを置く)「加重移動平均(WMA)」や「指数移動平均(EMA)」もある。

直近の価格を重視するため、単純移動平均と比較すると反応が良くなる。(ダマシが増える可能性はある)
もし、「単純移動平均は反応が鈍い」と感じたら、これらを試してみても良いだろう。

※他にも、平滑移動平均(SMMA)、正弦加重移動平均(SWMA)といったものがある。

<参考書籍> 投資苑

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