システムトレード 基本と原則という本を読み直していまして・・・その本の(表題の)回答は「無知のせい」と書かれていました。
その部分を(長いですが)引用します。
トレーダーの90%が負ける理由の一番簡単な答えは、無知のせいというものだ。
アナリストの多くは、負ける一番の理由は心理にあると主張する。
だが、もっと深い答えは、だまされやすく無精だからだと私は主張したい。
トレーダーが最も楽な方法を探すのは人間が本来、無精だからだ。利口に働けるのに、どうして一生懸命に働く必要があるのか、というわけだ。
残念ながら、このせいでトレーダーはだまされることがあるのだ。読んだり、聞いたり、コンピューターにインストールしたものを信じ始める。
トレードで簡単に豊かになる道があるとぜひとも思いたいからだ。
そして、この最も楽な方法に頼るから、マーケットがそれが、機能するかもしれないと考えると、しっかり検証しようとしないのだ。
たとえトレーダーが相当の本を読み、多くのセミナーに参加したとしても、彼らはまだ無知だ。
驚きかもしれないが、トレーディングで実際にうまくいく方法を彼ら自信も知らないからだ。
彼らは普通、トレードでは成功していない。膨大な金融関係の文献や製品を見れば分かるが、ほとんどは「もっと愚かな者」の理論に頼っている。
つまり、顧客や購入者は自分たちよりも「もっと愚か」だが、そのことに気づいていないと考えるのだ!
覚えておこう。トレーディングのアイデアが印刷されたり、パワーポイントを使って発表されたからといって、真実になりはしないのだ。
しかし、正しい知識があり、トレーディングのアイデアを忍耐強く検証できるなら、あなたは無知ではない。
私はあなたにこの知識を提供するつもりだ。初めのうちは利益を出せないかもしれない。
だが少なくとも、それは成功に必要な知識がまだ十分でないからだ、と理解できる知識は得ているはずだ。
長い引用になりましたが「負けるのは無知だからである。正しい知識をつけ、トレーディングのアイデアを忍耐強く検証できるなら無知でない。いずれは勝てるトレーダーになれる。」ということでしょう。
以前紹介した打倒! FX! フザけんな!! プロスペクト理論!!の軒下のネコ氏も同じようなことを書かかれていました。
「相場での勝ち組は1割、残り9割は負け組」なんていう言い方をしますが、 実際の話、死ぬほど努力する人間が1割、努力しない人間が9割の間違いなんじゃないか?と思ったりします(笑)
引用元:軒下のネコ氏のメール(勝手に抜粋&引用)
人間は楽をしたい生き物で、努力したくないわけですが・・・それでも努力を続けないとトレードで勝ち続けることは難しいです。(努力して、一度勝てるようになれば少ない努力で稼げるようになりますが、そうなるためにはたくさんの努力が必要になります)
「すぐに(努力せず)楽してお金を稼ぎたい?」
みんな本当はわかっているはずじゃないですか。
「そんなものは無い」ということくらい!!
※稀に運よく博打トレードでお金を稼いだ人とか、天才的な直感で稼ぐ人もいるかもしれませんがそんなものに期待するのは宝くじで1等を当てるようなものです。僕を含めてこれを読んでいる皆さんも99.99%以上の確率で凡才です!残念でしたっ!!(笑)
トレードで一番大事なことは?
「システムトレード 基本と原則」の引用に「心理」や「資金管理」の話がでてきましたので、それについても書いてみます。
トレードで一番大事なことは心理(メンタル)であるとか、資金管理であるとか言われますが僕はそれらよりも優位性のあるトレードルールが大事だと思っています。(もちろん、心理や資金管理も大事です)
仮に心理や資金管理が一番大事だとすれば、心理が存在せず、資金管理も可能なトレードシステム(以下、EA)は非常に勝ちやすいことになります。
しかし、現実はどうでしょうか?実際にEAを作ってみてください!
スプレッド分勝てるシステムを作ることは、なかなか難しいものです。
損少利大を心がけて、決して無理なトレードをしないようになっていても、優位性のないトレードをしていたら、いずれ資金は枯渇します。
損小利大にすると勝率が悪化して少しずつ資金が減りますし、逆に損大利小にすると勝率は良くなりますがコツコツドカンでやられます。
心理や資金管理だけでは(恐らく)勝てません。スプレッド以上に勝てるだけの優位性がトレード(システム)には必要というのが僕の考えです。
「優位性」を確認するためには必ず検証しなければいけません。(できればEAで確認できるといいです。バックテストで素早く確認できます。プログラムが書けない?書けるようになりましょう。検証速度がグンと上がります!)
上がるか下がるかは50%。だからスプレッド(手数料)分だけ負ける
「9割が負けている理由は、勝率50%で手数料を払っているのだから(負けるのが)当然だ」という説があります。
そもそも上がるか下がるかは50%か?
長期的にみれば上がるか下がるかは50%に収束していく・・・のかもしれません。少なくとも僕が過去検証したドル円相場1年間ではほぼ50%になりました。
ここだけをみれば「上がるか下がるかは50%」は正しいのかもしれません。(検証期間や検証通貨ペアが少ないので断言はできませんが)
「気分や思い込みによる裁量(笑)」トレードではスプレッド分か、それ以上に負けます。
損切りをしていると損切り貧乏になり、もう損したくないという心理が今度は損切りを遅らせて損を拡大させ、負けを取り返そうとロットを大きくして巨大な損失を抱え込んでついには資金を溶かしてしまう・・という話も良く聞く話です。
優位性のない思い込みトレード(笑)では、心理や資金管理に目がいってしまうのも無理はありません。(損をした元の原因は優位性の無いトレードにあるのですが、損を大幅に拡大させた原因は心理と資金管理にあります)
FXは50%の賭けなのか?
(きっと頭は良いのでしょうけど)FXについて無知な人が「上がるか下がるかは50%である。だからFXは50%の賭けである」と結論づけている文章を散見します。
たしかに、「気分や思い込みによる裁量(笑)」トレードでは50%・・・いや、もっと酷い結果になるでしょう。(目の前の小動きに右往左往してしまい、結果的にはコイントスで表なら買い、裏なら売るというランダムなトレードよりも酷い結果になるようです(苦笑))
では、FXでお金を稼いでいる人たちは50%の賭けに勝ち続けているのでしょうか?
・・・50%の賭けに勝ち続けるのはまず不可能です!
勝つための手法には色々あると思いますが、ここではトレンドフォローについて書いてみます。
明日の天気を予想する
身近な例で「天気を予想する」ことを考えてみます。
明日は晴れか?雨か?(曇りは”ドロー”とでもしておきます)
僕の場合は(情報がこれしかなく、賭けなければいけないのであれば)「今日晴れていたら明日も晴れ」と予想します。雨の場合は微妙なところですが・・・やはり「雨」と考えます。
「微妙なところ」と考えた理由は「雨の日より晴れの日が多い」という日本の気候によるところですが、仮に「晴れと雨が50%である」とした場合には「微妙なところ」の文字が消えて「今日、雨が降っていたら明日も雨」と予想するでしょう。
この天気の予想に疑問を持つ人はいるでしょうか?
同じ天気が続きやすい(晴れ、雨、晴れ、雨とコロコロ変わることは少ない)ことを皆さん知っているわけです。
ですが、なぜかFXになると「晴れ(上げ)の次は雨(下げ)」と予想する人が多いのです!(笑)
晴れの確率
余談ですが日本海側や東北・北海道は晴れる確率は低く、九州や四国などは圧倒的に晴れが多いようです。
長期トレンドを考慮する
今日の動きだけをみて天気を予想すると50%よりは勝てるかもしれませんが、一時的な天気の変化(ちょっと曇ってきた、小雨が降ってきた)だけで予想に困ります。(勝てそうな日だけ予想すればいい、と割り切ってしまうのも手ですが)
そこで、今日だけでなくもっと長い期間をみてみます。
日本には四季がありますよね?夏は晴れが多く、冬は雨(雪)が多い。梅雨時期は雨が多くなります。
梅雨の合間に晴れたからといって、「明日も晴れだ」と考える人は少ないはずです。また、「統計的に晴れの方が多いので晴れる」と予想する人もいないでしょう(笑)
「洗濯しよう!布団も干しておこう!いまのうちに!」
そう考えるのが普通です。
「梅雨時期は晴れには賭けない(長期視点)。梅雨時期に雨が降り始めたら”次の日は雨”に賭ける(短期視点)」
「夏は雨に賭けない。晴れたら”次の日は晴れ”に賭ける」といったルールを作ります。
これで勝率はかなり上がるはずです。
FXに明確な四季はありませんが、上げやすい時期、下げやすい時期というのが存在していて、これを「トレンド」といいます。
「長期トレンドで下降している時は買わない(長期視点)。短期トレンドで下降したら売る(短期視点)」
このように長期トレンドと短期トレンドを見て判断することをマルチタイムフレーム(MTF)と言います!
短期トレンド(今日の天気)よりも、長期トレンド(季節や時期)の方が優位にあります。
だから、長期トレンドに逆らって短期トレンドの方向に仕掛ける必要はありませんし、ちょっとした(短期的な)変化で焦って手仕舞いする必要もありません。
明確なシグナル・・・たとえば「夏場で晴れポジション(?)持っていたけど、今、台風が来てる!」というときには晴れポジションを手仕舞いしてやりすごして(短期的に雨ポジション(?)を持ってもいいかも知れませんが)、台風が過ぎれば大抵晴れますから通り過ぎてから晴れポジションを持ち直せばいいだけです!
終わりに
FXと天気をごっちゃにするのはオカシイことかもしれませんが、「不思議なことに似ているな」と思ったので、天気を例にしてみました。
上がるか下がるかは(長期的な統計では)50%になるのかもしれませんが、必ずしも「上げと下げが交互にくる」わけではなく、一定のリズム(トレンド)があります。
天気などの自然現象にしても、生物の行動にしても動くものには大抵リズムがあると思いませんか?
通貨レートは人間が動かしているに過ぎません。
世界中の人の考えが絡み合うので天気よりも複雑な動きを示しますが、「大きなリズム(トレンド)に逆らわずに乗っていく」ようにするのが、勝てるトレーダーになるための最初の一歩ではないでしょうか。
【関連記事】
佐野さんのありがたきお言葉。我が師。最初の先生です。僕が勝手に先生と思っているだけですけど(笑)
メールでご指導いただいてます。和菓子。僕の先生の1人です。現在、MTFに関する無料レポートを配布されていますので、MTFについてより詳しく知りたい方はありがたくいただいちゃいましょう!(左の方にリンクがありました)
※佐野さんも、軒下のネコさんも「予想をするな」って言ってるのですが、「分かりやすくしよう」と天気と絡めたら予想しているようになってしまいました。先生方に怒られるかもしれません!(>_<;)
僕はシステムトレーダーだからなのか「結局のところ、過去の統計から優位性を確認して、優位なタイミングで優位な方向(勝てる確率の高い方)に賭けてるだけ」なのかなと思っていたりしています。
【書籍紹介】
上記の「システムトレード 基本と原則」と、「売買システム入門 相場金融工学の考え方→作り方→評価法」という書籍がシステム開発に役立つと思います。(書籍は沢山買って読んだのですが、手元に残している書籍はこの2冊とFXメタトレーダー入門、FXメタトレーダー実践プログラミングの4冊だけだったりします)
コメント
おはようございます。
先生なんてやめて下さいよ。私の方が勉強させてもらってるんですから(笑)
PDFの紹介ありがとうございました。
そう言えば、昨日あたりから過去記事にチマチマ手を入れ始めてます。その効果からか多少、アクセスが上がってきたような気もしますが、気のせいですね(笑)
記事の更新、楽しみにしてます。
コメントありがとうございます。
和菓子って書きたかったので・・・(笑)
プログラミングやEA開発については、僕の方が経験豊富だと思いますが・・・
FXトレードに関してはネコさんの方が圧倒的に長いですから、先生と呼んでも差し支えないかと・・・思います!(僕なんて駆け出しの専業ですから・・・)
アクセス数は・・・おそらく気のせいですね!(笑)
たぶん、すぐに結果は出ないので・・・
(あるいは、僕の記事から少し流れたとか・・・?)
地道な作業を続けていると少しずつ結果が出てくると思います!
がんばりましょう~(僕もがんばります!)