勝率50%では確実に負けるゲームになる?
「FXトレード勝利の羅針盤」に書かれていたことが興味深かったので長くなりますが引用します。(一部抜粋)
勝率50%のゲームに見立てて思考実験をすると、全額再投資(勝ち負けを含む全額を次回に賭ける)ことを条件に勝ったときは賭け金の総額の20%の利益、負けたときは賭け金の総額の20%の損失、とするならば一見、とても公平なゲームで、長期試行でイーブン(引き分け)になりそうにも思えるが、じつは『確実に負けるゲーム』となるのじゃのう…。
「具体的な事例として、例えば資金を100万円と仮定するならば…、勝率50%(負け率50%)で、勝つ時に総額の20%の利益、
負ける時に総額の20%の損失、ということならば、最初に勝ったとして『100万円×120%=120万円』、次に負けたとして『120万円×80%=96万円』と最初の100万円は96万円に減損して4万円の損となるのじゃ…。」『ちょっと待って、ちょっと待って、おジイさん。♪ 最初に負けて次に勝ったとしたらどうよ…。』
「その場合は、最初の負けで『100万円×80%=80万円』、 次に勝ったとして『80万円×120%=96万円』となってやはり最初の100万円は96万円に減損して、勝ち負けの前後にかかわりなく4万円の損となるのじゃ。」
「そして、同じルールで合計4回の試行をするならば…、はじめの2回の試行で元金は96万円となっているから、
3度目に負けたとして『96万円×80%=76.8万円』、4度目に勝ったとして『76.8万円×120%=92.16万円』
ということになり、100万円の元金はゲームの4回の試行で92.16万円へと必然的に減損することになるのじゃのう…。最初に2回連続で勝って、その後に2回連続で負けても、最初に2回連続で負けて、その後に2回連続で勝っても勝ち負けの前後にかかわりなく減損することになるのじゃ…。」
大きく負けると負けた分を取り返すのは難しくなる・・・というのは知っていましたが、勝率50%では「どのような順番で勝ち負けしても減損する」んですね。
ちなみに僕は、自分のEAには「マネーマネジメント機能」は組み込みません。(多くのEAに装備されている機能です)
マネーマネジメント機能
資金からロットを算出する機能。資金が増えるとロットが増加し減るとロットが減少する。トレーダーは資金にかかわらず適切なリスクを取れる・・というのがこの機能のメリットです。
ただ、この機能は勝ちまくるときには資金が大きく増える反面、一度大きく負けるとロットが小さくなり元に戻すのが難しくなります。
僕はロットの増減(資金管理)をコンピューター(プログラム)任せにしたくないので自分でロット管理をする(固定ロットを使用する)方が好きです。
※最初の例は「全額再投資(勝ち負けを含む全額を次回に賭ける)ことを条件」にしているため「必敗」となっていますが、固定ロット(再投資しない)のであれば、収支はトントンになります。
再投資しないわけではなく、「ほんの少しずつロットを上げる」か「どこかのタイミングで適正と思われるロットに上げる」かのどちらかです。上げた後は(基本)下げません。だからこそ、上げる時は慎重に上げます。
確率的思考・大数的思考
「それゆえ、勝負事では勝率が超過し得ない限り、損小利大が必要になるという事にもなるのじゃが…、
ところで、このような『感覚では理解しがたい事』や感覚では受け入れられない事はほかにもいろいろあってのう…。
例えば、ルーレットの赤黒はディーラーが公正ならば0と00を除き、出現率は赤黒ともに50%じゃが、黒が3回も続くと毎回が独立事象にもかかわらず、黒が4回連続で出るのは6%少々だから、次は赤が有利、なんて感覚的には思いたいものじゃが現実は異なるものであり…、
これは以前「やってはいけない確率計算」に書いたとおりです。
「前回」や「前々回」がどうであったかに意味はありません。
当然ながら、「勝率50%で3回連続で負けたから次は勝てるだろう」という事もありません。
勝率50%では15~20連敗することもありえます。
詳細は「やってはいけない確率計算」や「やってはいけない確率計算2」をご覧ください。
また、例えば、トレードを多少なりとも学んだ者は、相場には本来的な不確実性あって、聖杯は存在しなく、『確率的思考もしくは大数的思考で行わなければならなく』トレードは勝ち負けトータルで勝ちを目指すものと、頭では理解はできても、感覚的に受け入れられない場合もあって、『ナゼ負けたのだろう?』、『何を改善すれば負けなくなるか?』、など、確率的思考を排除しようとして、期せずして聖杯を求めテクニカルの沼に陥り迷宮を彷徨ってしまう場合があるのじゃ。」
(中略)
「まぁ…、向上を目指す事は由(よし)としても、完全には至り得ない、ということも忘れずにいたいものじゃ…。」
FXトレード勝利の羅針盤で佐野さんが何度も書いていることですが、「負けた理由を追求することは大事である」としながらも「相場は学校の試験とは違い、正しい絶対解も無い」ので、試験勉強のように「間違った問題」を復習して正解を求め続けても時間の無駄になる可能性があります。
また、勝ちから学ぶこともあり「負けトレードだけにフォーカスする」のも良くありません。
佐野さんは、「勝ちトレードの方に学ぶことも多い(勝ったときの感覚が重要)」と言っていました。
勝てば官軍!?
勝てれば何でもいいのか?というと、少なくとも相場の世界では違うと思っています。
間違った勝ち方で(たまたま)勝ってしまって、「それが正しい」と思い込んで間違いを繰り返し、最終的には大損する・・・ということもあるでしょう。
逆に、正しい(ルールに則った勝率の高い)手法で2回、3回連続で負けても「そういうこともある」と割り切ることも必要です。(当然、負けたトレードの検証は必要ですが)
「値動きに意味がある」こともあれば、「意味なんか無い(あるいは理解不能)」ことも多々あるわけです。
あまり1つのトレードに固執しすぎても解答はでないかもしれません。気持ちを切り替えていきましょう!
最後に、佐野さんの締めの言葉を拝借して終わりにしたいと思います。
相場では学校で学んできたような常に正しい絶対解はなく、不確実性に対峙する最大の武器こそは負けることも含めて『確率的思考』であることを忘れずにいたいものじゃのう…
FXトレード勝利の羅針盤 ~FXで経済的自由を得よう!~ より
※佐野先生のありがたいお言葉をまとめた記事
佐野先生は教材を販売しています。興味のある方はブログ右上の方にリンクがありますので、そちらからどうぞっ!
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