FXにおける中長期投資の手法をテクニカル分析(移動平均線・ブレイクアウト戦略)で検証する

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今日は中長期投資について検証・考察していきます。

※専業・兼業トレーダーよりも、趣味に近いような個人投資家(初心者/のんびり投資したい人)向けに書きます。

中長期投資とは

ここでは中期投資を数ヶ月~1年程度保持、長期投資を1年以上保持と定義します。(株式投資などでは1~2年でも中期と言うようです)

株式投資では「中長期投資」というのはメジャーな投資法ですが、FXにおいては短期トレードが主流となっていて「中長期投資」をメインにしているトレーダーは少ないように思います。(短期トレードをメインにしつつ、中長期でも持つ人はいます)

素人一部の個人投資家は中長期でスワップの高い通貨ペアを高めのレバレッジで保持することも少なくないようですが、先日のような相場の急変があると証拠金不足に陥り破産するケースも見られます。

関連記事⇒月曜日の暴落が原因でトレードシステム運用口座資金が枯渇した件について!

中長期投資は安全か?

「中長期投資は短期よりも安全」という言われる人もいますが、ストップロス(損切り)を入れている限りは短期も中長期も安全性に違いは無いでしょう。

「取れるリスク(1トレードで許容できる損失)は幾らか」でロットやストップロスの位置が変化するだけです。

10万通貨で20pipsの損失まで許容するのも、1万通貨で200pipsの損失まで許容するのも同じなのです。

また、同様に10万通貨で20pips利益を取るのも、1万通貨で200pipsを取るのも利益は同じです。

20pipsの利益を取るのと200pipsの利益を取るのではどちらが簡単でしょうか。

当然、20pipsの方が簡単ですよね?

そう考えればプロトレーダーが中長期よりも短期を重視するのは当然でしょう。

中長期投資のメリットとデメリット

中長期投資のメリット

  • 短期のチャートよりも長期のチャートの方が綺麗な形になりやすい
  • 日中見ている必要は無い
  • スプレッドの影響が少ない

短期も長期も「同じである」という人もいますが、僕は日足などの長い足のチャートの方がダマシが少なく綺麗なチャートになりやすいと思っています。(その程度の違いしかないともいえます)

日中足の動きは無視できるので1日1回、数分チェックすれば十分です。忙しいサラリーマンでもトレードしやすくなります。

また、短期トレードのようにスプレッドの大小が結果に大きく左右することはありません。(数pips、数十pips取るのが目的ではなく、数百、数千pips取るのが目的だからです)

中長期投資のデメリット

  • 相場の急変に対処できない、遅れることがある
  • トレード手法の検証が不十分(トレード回数が少なくなる)
  • スワップが無視できないほど影響することがある

一寸先は闇。1秒後の値動きですら予測不可能だというのに、明日の相場や、さらには1ヵ月後、1年後の相場がどうなっているか…などということはわかりません。(予想している人はいますが、話半分くらいで聞いたほうがいいです。「絶対にこうなる」ということは誰にも断言できません。)

相場が急変した際に手仕舞いのシグナルが発生するまで利益がどんどん削られて、シグナルが発生した時には利益を全部吐き出して損失に…ということもありえます。(かといって、感度の高いシグナルを使っているとダマシや一時的な押し/戻りで手仕舞いしてしまい、利益が伸ばせない原因になります)

また、どうしても「統計的な価値のある十分なトレード回数」が稼げません。日足の場合、100~200回もトレード回数があればかなり良い方でしょう。短期トレードであれば数千回、数万回のトレードができます。この点では圧倒的に短期トレードが有利です。

スワップについては、良くも悪くも…というところですが、たとえば豪ドルの売り(ショート)で長く持つとジワジワとボディーブローのように効いてきます。特にスワップの大きな通貨ペアで中長期投資をする場合にはスワップを考慮にいれておかないと「思ったほど利益が伸びない」ことにもなりかねません。スプレッドよりもスワップで有利な業者を選択したほうが良い結果が出ます。

中長期投資で有効なテクニカル分析

主要なテクニカル分析を使って検証していきます。

内容は以下のとおりです。

  • 移動平均線のクロス
  • 移動平均線より上か下か
  • ブレイクアウト

移動平均線のクロス(2本/3本)やドンチャンブレイクアウトに関しては過去記事(2011年頃)に検証しているのですが、それらをおさらいしながら、当時の検証結果と比較して現在はどうか?過去の検証結果を基にもし運用していたらどうなっていたか?を確認していきます。

移動平均線より上だったら買い(ロング)、下だったら売り(ショート)の方に優位性があるという考え方も良くあるため、今回はこれも検証していきます。

移動平均線のクロス(2本)

まずは移動平均線のクロスです。移動平均のクロスを使う場合ユーロドルが最も良いというのが過去の調査でわかっています。

関連記事:単純移動平均のクロスを使うならユーロ/米ドルが良い

この記事では、短期が5~15日、中期が20~60日として短期線と中期線がクロスした際に仕掛けた場合「ほぼすべてのパターンで利益」になっているようです。

※以降、特に指定がない限り使用している通貨ペアはユーロドルになります。

試しに同条件でテストしてみますが、期間は前回の検証期間より後の2012年1月から現在(2015年8月)までとしました。(最適化のStepは、短期5日刻み、中期10日刻みにしています)

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(左から損益、トレード回数、PF)

・・・あまり良くないですね・・・。

大きな利益が出ている上の2パターンですが、どちらも1回のトレードで大きく稼いだだけです…

中期と長期(200日)の方が良い結果が出ているということなので、今度は中期と長期でバックテストしてみました。

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取引回数こそ少ないですが、どのパターンも利益が出ています。

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最も利益の大きかった40日/200日のクロスです。

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200日移動平均と何度もクロスするような弱いトレンド(レンジ)になるとどうしてもダマシが頻発します。

しかし、一度大きなトレンドが発生すれば…

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このように非常に大きく取ることができる!これが長期投資の醍醐味といえるでしょう。

先週のユーロが暴騰したことでさえ、大きな流れの前では「まだ利益を確定するほどではない小さい反発」でしかなかったようです。(このまま200日移動平均を上回ることが多くなればクロスして決済しドテン買いとなります)

最後に2005年1月から2015年9月までの約10年間でバックテストしてみました。

WS001338

勝率は4割もありませんが強いトレンドがくれば負けを取り返して利益になります。

レンジ相場を回避できればかなり高い利益になる…はずです。

移動平均線のクロス(3本)

移動平均線2本の場合、短期(20日未満)を使用すると結果が芳しくなく、かといって中期~長期のみ使うとトレード回数が非常に少なくなってしまいます。

過去の調査を見ると2本よりも3本使ったトレードの方が安定するようです。

関連記事:単純移動平均の再検証と3本の移動平均線

まずは書籍に記載されていたパラメータ4-9-18を使用してみます。

<買いのトレードルール(売りは買いの逆)>

1. 4日移動平均線が9日移動平均線の上へ抜け、更に9日移動平均線が18日移動平均線を上へ抜けたら買い。

2. 4日移動平均線が9日移動平均線の下へ抜けたら手仕舞い。

※ これはドテンルールではありません。仕掛けは長期線のクロスで行い、手仕舞いは短期腺のクロスで行います。

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…?えぇっと…

関連記事:単純移動平均を3本使ったトレードの検証

こちらの記事で4-9-18よりも4-18-30というパラメーターの方が良い結果が出るようなのでこちらを使ってみましょう。

WS001340

どうやら最適化した期間(前半)は良くても、その後(後半)ではまったく使えないシステムになってしまいました。

そこで、2005年から2015年8月までの期間で最適化してみたところ4-9-30という値が良い結果に。(PF1.79)

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たまたまかも知れませんが、基になった4-9-18手法に近いパラメーターになっています。

案外良いのではないか?と思ったのですがどうでしょうか。

移動平均線より上か下かで判断

移動平均線よりも上にあれば買い、下にあれば売る方に優位性があるとする説です。

20日、75日、200日を見て、すべての移動平均線よりも価格が上回っていて、かつ20日>75日>200日の順になっていたら「買い」、すべての移動平均線より下回っていて、かつ200日>75日>20日の順になっていれば「売り」をします。

買いポジションの手仕舞いは、価格が20日と75日移動平均を下回った場合とします。売りは逆に20日と75日移動平均を上回った場合です。(20日だけだと敏感に反応しそうなので)

さらに、各移動平均線がXpips(パラメーターで指定)内にすべて存在する場合(移動平均線が絡み合うようなレンジ相場)はトレードしません。(クロスが条件ではないので、平均線が拡散し始めて指定したレンジから線が飛び出せば即トレード開始となります)

ちなみにこの条件は「今思いつきで作った」ので、上手くいくかどうかはわかりません(笑)

2010年1月~2015年9月

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強いトレンドがくれば大きく稼げますが、通常の相場では「せいぜいトントン」というところでしょうか。ちなみにPFは1.98です。(1度大きく勝っただけですが…)

とりあえず優位性はありそうだ、という程度でこの調査は終了とします。(移動平均クロスの方が良さそう。フィルタとしては使える。)

ブレイクアウト

次にブレイクアウトです。過去、ドンチャンブレイクアウトについて調査し、優位性があることを確認しています。

ドンチャン・ブレイクアウト戦略の検証-序-

ドンチャン・ブレイクアウト戦略の検証-改-

「ドンチャン・ブレイクアウト戦略の検証-序- 」の調査にて、パラメーター(X日高値/安値)は28が良いということなので28日高値/安値をブレイクアウトで仕掛けるプログラムを作ってみました。

期間は2006年1月から2015年9月です。

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PFは1.47

2013年頃に大きなドローダウンが発生したため過去の調査よりも悪化しています。

やはりこの程度の試行回数で最適化しても、最適なな条件の抽出は難しいようですね。

大きなドローダウンの後は強いトレンドが発生したため持ち直していますが、ブレイクアウトがダマシとなりやすいレンジ相場が続くようだとまた負けが続く可能性があります。

まとめ

長々と書いてきた「移動平均線」と「ブレイクアウト」を使った日足トレードですが、「優位性はある」とはいえ設定して放置しておけば十分といえるような結果とはなりませんでした。

本当はこの後、移動平均線やブレイクアウトを基本路線に「トレイリングストップ」や「ブレイクイーブン」といった機能を盛り込み、ローソク足なども判断に加えて総合的な判断を行うシステムを作ろう…と思っていたのですが、ここまで調査したところで飽きました。トレード回数が少なすぎるため、十分な試行回数が出せず満足のいく結論が出せるとは思えなかったので調査はここまでとなりました。

「移動平均線」と「ブレイクアウト」だけでなく、トレンドラインやローソク足の形状などの他の分析手法も含めて「真のトレンド発生/ブレイクアウト」かどうかを裁量で判断して仕掛ける方が、EAを作って機械的に仕掛けるよりも有効な気がします。

※短期足でシステムを作っても同じ事が言えるかもしれませんが、調子の悪い時期(ドローダウン)が短期であれば1週間とか、1ヶ月とかで終わるのに対して日足の場合は数ヶ月、長ければ1年以上我慢しなければいけません。 そんなに長い間我慢するのはさすがに厳しい…ですよね)

「長くて強いトレンドが発生したときに、トレンドに乗ること」が重要であり、中・長期投資ではそのチャンスは恐らく年に1回か2回…あれば良い方です。

そのチャンスをジッと待つ。チャンスが来たらトレンドに乗って利益を伸ばす。(トレンドが継続する限り持ち続ける)

※ドル円80円台から買っていって含み益5億になった会社員の人とかいましたよ…!

「待つ」ということが最大のポイントであり、特に「普段は仕事している一般的な個人投資家」の最大の強みでもあると思います。(専業は余程お金持ちでないかぎりは「稼がないといけない」ので何ヶ月もポジションなしでボーっとしているわけにはいきません。)

※専業投資家でも「待つ」ということは重要です。短期トレードの場合、「待つ」時間が数時間だったり、場合によっては数日動けないこともあるかもしれません。

強みを生かして「勝ちやすい時期までじっと待って、勝ちやすい相場でしっかり勝つ!」そんな投資を心がければ、そうそう負けないのではないか?と思います。

だいぶグダった感が… ボツネタにしようかと思いましたが以前「日足について再検証する」と明言したのでボツにしませんでした(笑)

シェアありがとうございます

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