金融市場において大口投資(投機)機関による「アルゴリズム取引」の影響が非常に大きくなっています。昨今の「AI」の発達によって、今後も影響が大きくなっていくでしょう。
その「アルゴリズム取引」のロジックを知ることで個人の取引に活かそうというのがSmart Money Consept(以下SMC)です。
これから書くことはSMCを日本語で解説してくださっているYUKI.WOLDというブログのSMCの記事をベースにしております。(引用部分はすべてこちらの記事からの引用になります)
私の結論
最初に私の結論から書かせていただきます。
SMCの一部を利用させてもらうことはありますが、テクニカル分析を捨てるつもりはまったくありません。
有用であることは認めますが、短期間で習得できるものではなく、他のインジケーターと同じで「トレーダーの好みの問題」で片付けられる話だと認識しています。
SMCについて
まず、SMCは「全ての値動きはAIアルゴリズムによって完全に操作されている」という前提でチャートを見ます。
YUKI.WORLDより引用
SMCではフィボナッチ・リトレースメント以外のツール、トレンドラインやチャネル等は使用しません。移動平均線などのインジケーターも一切使用しません。
これらツール・インジケーターは無数の「バカなトレーダー達」が使っているものだからです。
これまでのテクニカル分析のすべてを否定するところからはじまるわけですが、私は冒頭で書いた通り、テクニカル分析を捨てるつもりはまったくありません。
「すべての値動きはアルゴリズムによって完全に操作されている」とも思いません。
仮にそうだとすると、テクニカル分析で稼ぐトレーダーは死滅していくはずですが、少なくとも現状、そういったことにはなっていません。世の中に数え切れないほど「テクニカル分析で稼いでいるトレーダー」が存在し続けているからです。
Liquidity
アルゴリズムは、Liquidityを求めて価格を動かす
「価格はなぜある一方へ動く?」の回答の1つが「その方向にLiquidityがあるから」
単純に書くとLiquidityは直近の高値あるいは安値であり、そこに損切りを置くトレーダーが多い。
だからアルゴリズムは損切りを誘発しようとする、いわゆるストップ刈りを行います。
大口投資家がストップロス刈りをすることは有名ですが、アルゴリズム取引で行われているわけです。
他の話はともかく、このLiquidityの話は知っておいて損は無いので「(私を含む)テクニカル分析信奉者」も一読することをおすすめします。
Fair Value Gap(FVG)

FVGは「価格を引き寄せる性質」がある
アルゴリズムは「価格の不均衡」を「均衡」するようプログラムされているから
(簡単に書けば、FVGを埋めるようにプログラムされているから)
最初にFVGを学習した際には単純に「価格を引き寄せる性質がある」としか書かれていなかったので「オカルト」かと思いましたが、アルゴリズムでそのようにプログラムされているからと言われたら(事実の確認はできませんが)「そうなんですか」と納得(?)せざるをえません。
以下は私がFVGの確認をしていた際にキャプチャした画像です。

一気に上昇してFVGに向かいます。

チャートを見ていた範囲ではFVGを埋めることは無く、タッチだけして反転、下降していきました。

「埋める」まではいかず、タッチや途中までいって反転することも結構多いように思います。(そのFVGがいつ埋められるかはわかりません)
当然のことながら「何年も埋めに来ないまま残ったFVG」もあります。
「どのような時にどのように埋められるか」はこれから実際にチャート上で経験を積んでいくしかありません。
使用したインジケーターはWRB-Hidden-Gap-BTというものですが、YUKI.WORLDの著者はこういったインジケーターには否定的です。
・インジケータ製作者がFVG/OBを理解しているとは思えない
・究極的には個人の自由だけど、そこは楽をするところではない
・すぐ慣れる。それでも目視が「面倒すぎる…」と感じるなら、そもそもSMC分析が合わない可能性
私は面倒だと思ったので合わない可能性です(笑)
Premium/Discount
「買われすぎ/高すぎ」「売られすぎ/安すぎ」を客観視する理論
アルゴリズムの原則:Premiumで売り、Discountで買う
だから、ぼくらもPremiumで売り、Discountで買おう
Liquidity・FVG・OBの基本と組み合わせることで、真価を発揮

ここでようやくフィボナッチ・リトレースメントが出てきます。使うのは0.5だけです。
0.5より上はPremiumで、下はDiscountになります。Liquidity、FVG、OB(後述)を知った上で、Premiumだったら「売り」、Discountだったら「買い」をするようにしましょうという話です。
OB(OrderBlock)
以下のように、陰線の高値を超えた時点で、その陰線がBullish OB

Bullish OBがサポートとして機能=OBに触れた後に価格上昇が期待ができます。

この逆で陽線の安値がBearish OBになります。
OBを最後にしたのはOBについて覚えるのは後で良いとされているからです。
基本原則として、以下2点をまず最初に覚えると良い
- アルゴリズムは、Liquidityを取りに行く
- アルゴリズムは、FVG(等の不均衡)を埋めに行く
この2点を覚えた後に、以下原則を付け加えるようにして覚えると良い
- アルゴリズムは、Premiumでショートを積みDiscountでロングを積む
この「2点 + 1」を覚えよう
まとめ
SMCも一朝一夕で習得できるものではなく年単位での学習が必要です。
「1年もせず稼げるようになる」と甘い事を言ってくるやつは信用するな、そいつはあなたに対して何かを企んでいる
11万円SMC日本語商材の信頼性をICTガチ勢の観点で推論
そういう意味では他のインジケーターを使用する場合も同様です。
当ブログでは何度か書いていますが、どのインジケーターでも勝てるようになるでしょうし、SMCでももちろん、勝てるようにはなるでしょう。それがいつになるかはまったくわかりませんが。
「良さそうだな」「気に入った」と思ったら、あとはもう個人の努力次第です。
しかし、SMCの最大の難関は英語かもしれません。日本語での解説で信憑性がありそうなのは本記事で紹介したYUKI.WORLDくらいで、他の解説サイトはSMCから派生した亜種の話も混ざっていて、SMCの本質がわからなくなるのでおすすめしません。
結局、自分で学習しようとするとICTが公開している英語の動画をベースにするしかないでしょう。
私は英語が得意ではなく、特にヒアリングが壊滅的にダメなのでちょっと難しいなと思いました。(一応、自動翻訳等で学習できなくもないようですが‥)
現状の自分のトレード手法にLiquidityやFVGの知識を混ぜて「気をつけるポイント」という程度で押さえておこうという結論になりました。
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