サインツールの手動バックテストや、MT4での売買練習を可能にする無料ツール

前回の記事「サインツール、シグナルインジケーターのバックテスト及び自動売買を可能にする無料EA」で紹介したEAを使うと自動売買化はできますが、サインツールは裁量判断が必要とされるケースが多いです。

裁量判断での手動バックテストを可能にするためには、ストラテジーテスター実行中にボタンクリックで売買できれば良い、ということになります。

しかしボタンクリックで売買を実行するEA「ScalTardeAssistPro」をストラテジーテスターで実行してもボタンは反応しません。そこでWindowsアプリを作って、MT4のEAに売買指示を出せばいけるのでは？と考えて開発に取り掛かろうとしましたが‥

その前に既存のツールを調べて見ようと検索してみると‥ありました！無料のツールが‥！

上記のリンク先で配布されており、使い方のPDFもあります。最低限の機能しかありませんが、FXトレードの練習ソフトで有名なForexTesterや練習君プレミアム２などは2万円～3万円と高額なものなので、無料で使えるツールを公開していただけるというのはとてもありがたいことです。

これをつかえばサインツールのサインが出た時にサインに従うかどうかを判断してから売買できます。

使ってみた注意点としてはSLとTPは設定してから発注しないと、注文後に設定することはできない、という点です。発注時に設定していればSLとTPの変更が可能です。（マニュアルに書いていますが、ダブルクリックで選択して、ドラッグすると動かせます。）

MQ4ファイルで公開されているので、自分で機能を拡張することもできます。（当然、MQL4を覚えてプログラミングする必要はあります。）

MQ4ファイルをざっと眺めてみましたが、短いので初心者でもとっつきやすいでしょう。

どうやらストラテジーテスターでボタンが押せるのはインジケーターでボタンを描画しているからのようですね‥。（だからインジケーターとEAの二つに分けて作成したようです）

であればボタンの描画とボタンを押した際の処理だけインジケーターにすれば、たぶんScalTardeAssistProをストラテジーテスターで動かすことも可能でしょう。今度やってみます‥！

ところで、先に書いたように高額な練習ツールが横行しておりますが、このような練習ツールで勝てるようになったという人はどれほどいるのでしょうか。

実はForexTesterについては販売会社の方から期限付きのライセンスを頂いて調査・検証したことがあります。良いものであればブログで紹介しようと思いましたが、結局、記事を書かずに終わりました。

「こんなツールで練習しても勝てるようにはならないんじゃないか」と思ったからです。

まず、よく言われることですが、デモ口座でいくら練習しても「（あまり）意味がない」です。それと同じです。

例えば車や飛行機のゲームでいくら上手くなっても、実際に動かすとなると話は別です。無意味ではないと思いますが、実体験の方が遥かに効率よく経験できますよね。痛くも痒くもない「ゲーム」でたくさん練習しても「実際のトレード」ではそれほど役には立たないでしょう。

さらにこの手のツールでは過去のチャートを使用するので、（過去のチャートから見て）未来の相場がどうなるかがわかってしまっています。これでは余計な主観や情報が入った状態ですので実トレードとは異なってきます。

また、こういったツールでは実際の相場の動きよりも早くすることができます。それはメリットであるように感じますが、私はデメリットだと思います。

「トレードは待つのも仕事」ですが、待たなくても良くなり、それは便利なようで、実際のトレードとはかけ離れた「ゲーム」でしかなくなります。うっかり見過ごして行き過ぎても戻せばいいですが、実際のトレードでは当然時間は戻せません。

早送りもせず、当然、巻き戻しもせず、既に見てしまったであろう「現在のチャート」には一切左右されず、リアルトレードと同じような緊張感を持ってトレードが行えるのであれば有用かも知れませんが、そんな人がいるのでしょうか。

少なくとも私には無理でした。

手法の検証をするだけであればチャートを見て確認するか、今回紹介した無料のツールを使えば事足ります。

トレードの練習をするのであれば、リアル口座で練習する方が万倍もいいです。

というわけで、ちょっと脱線しましたが「裁量トレードの練習ツールを買って練習するのは無駄」ではないかと個人的には思っています。

「練習ツールはこういう使い方をすると便利だよ」といった利用方法のご意見などがございましたら、お気軽にコメントをお願いします！