上げ幅と下げ幅の検証(下げ幅の方が大きい?)
前に投稿した1日の値動きがどのくらいなのか調べたで、1日の騰落価格幅を調査しました。
米ドルだと1日に約0.8円の値動きがあるという結果になりましたが、あくまでも平均での話で上げた時と下げた時の値幅に違いがあるはずです。
一般的に『下げ幅の方が大きい』と言われていますが、実態はどうなのでしょうか。
まずは、2010/1/4~2011/1/28の期間で値幅(その日の最高値-最安値)を算出し、陽線(外貨高・円安)になった日を『プラス』、陰線(外貨安・円高)になった日を『マイナス』として集計、平均を算出しました。
米ドル -0.05円
ポンド -0.13円
加ドル -0.04円
NZドル -0.04
豪ドル 0.01円
フラン -0.01円
ユーロ -0.12円
やはり、下落時の方が幅が大きいのか、平均でマイナス値(下落)がほとんどでした。
ただし豪ドルに限ってはプラスに!
このデータだけで『豪ドルはロング(買い)ポジションが有利、他の通貨はショート(売り)ポジションが有利』であるとは言えませんが、金利が高い事もあり『豪ドルは買われる時も勢いがある』と考えても差し支えないように思います。
次に、前回と同様、統計を取ってグラフ化してみました。
青線がプラス(上昇した日・円安)で、赤線がマイナス(下落した日・円高)です。
米ドル
それほど偏りは無いようです。
多少、下落時の方が多い気がする・・・程度。
(5円以上下落に1回あるが、これはギリシャショックによるものです)
ポンド円
短期トレーダーが好んで使うポンド円。
3円以上の下落が非常に多くなっています。
また、3円上昇が2回、4円上昇が1回、5円上昇が1回と大きく上げる事も多いのもポンドの特徴になっています。
加ドル
米ドル同様、あまり偏りはありませんでした。
1円未満は下落時、1~2円台では上昇時、それ以上は下落時が多いようです。
NZドル
NZドルも偏りはあまりありません。
2.6円以上動いたのは下落時のみとなっています。
豪ドル
ポンド同様、上げた時の幅が比較的大きめです。
2.3円上昇が6回、3円以上が3回。
ほとんど値動きが無い日も意外と多いようです。
フラン
円と同様非常に安定している印象です。
ただし、ギリシャ問題の際には5円以上下落したケースも・・・。
ユーロ
0.5円以下の値動きが無く、1~2円の値動きが非常に多くなっています。
まとめ
大きな偏りがあるなら、前回のデータはあまり使い物にならないかも知れないと考えて調べてみましたが、あまり偏りはなく『概ね下げ幅の方が大きく、大きく動く時は下げている時の方が多いという傾向がみられた』という程度であった。
株のように「下落を狙ったほうが短期的に大きく取れる」のは間違いなさそうですが、それほど高い優位性ではないので、この優位性を軸にして戦略を組むのは賢い方法ではないかもしれません。
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