今回ははスペシャリストのわなを検証します。
「アウトサイド・デイ」や「スマッシュ・デイ」同様、「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」という書籍に記載されている手法です。
スペシャリストのわな
① 過去5~10日の最高値を更新し、終値でも過去最高値にあるとき
② 次の日に前日の安値で売りを仕掛ける
買いは逆です。(最安値更新時に前日高値で買いを仕掛ける)
※今回の検証では過去10日の最高値/最安値としています
この戦略は「ブレイクアウトのだまし」を利用して利益を得るパターンです。
リンダ・ラリーの短期売買入門に書かれている「タートルスープ・プラスワン」に似ている戦略ですね。
バックテスト結果
条件: ユーロ/米ドル 日足 2005/1/1~2011/12/23
勝率は約75%ですが売買回数が少なすぎて優位性は確認できませんでした。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法によれば「トレンド方向にトレードする」と書いているのですが、このトレード回数でフィルタを追加してしまうと1年に0~1回しかトレードしない短期売買プログラムという存在意義の見出せないシステムが出来上がりそうです‥。
なお、「スペシャリストのわな」はもっと短い足で使用しても50%前後の勝率が出せます。
短期足を使用した「スペシャリストのわな」
1時間足での検証は以下のとおり。
なお、損切りと手仕舞いの値は最適化で出しました。
ちょっとキツイドローダウンはありますが、どうにかプラスになっています。
勝率は約50% 、リスクリワードレシオ(損益比)は1:1.1くらいになっています。
これにトレンド方向のみ仕掛けるようなフィルタを加えると、もう少し良い結果になるかもしれません。
今回は1時間足を使用しましたが、30分足や15分、5分足でもソコソコ良い結果が出ます。
(1時間足より短い足の場合、フィルタを入れないと資産が減少していくシステムになりましたのでトレンド方向にのみ仕掛けるフィルタは必須と思います。)
ラリー・ウィリアムズの短期売買法では「トレンドに沿ってトレードすること」とありますので、トレンドフィルターの実装です。
<ブレイクアウトを使用したフィルター>
ブレイクアウト時に40本中、最高値(最安値)だった場合には「トレンド方向へのブレイクアウト」と考えて逆張りを控えます。
あまり変わりませんでした‥。
<ADXフィルター>
ADX(12本)が30以上、DMI(28本)でDI+がDI-より大きい場合には買いのみ、DI-がDI+より大きい場合に売りのみ仕掛けます。
リンダ・ラリーの短期売買入門に書かれているADXギャッパー仕組みを流用してみました。
悪化しました‥。
<移動平均フィルター>
40本の指数移動平均を求め、移動平均より大きい場合には買いのみ、小さい場合には売りのみ仕掛けます。
勝率は50%程度ですが、平均利益>平均損失となっているため、長期的に見れば資産が上昇しています。
ちょっとドローダウンが厳しいですが・・・。
このシステムが使えるかどうか、他の通貨でも試して見ます。
<移動平均フィルター@米ドル/円>
良くないですね‥。
ポンド/米ドルでもやってみましたが、これも良くない結果になりました。
利食いと損切りの値を調整することでもう少し良くなるかもしれませんが、これを良いシステムに改良するのはなかなか難しそうです‥。
スペシャリストのわなの検証はここまでにします。
次回は「3本足の高値/安値を使ったトレードシステム」を検証します。
コメント
ラリーウィリアムの短期売買法データありがとうございます。やはり使えないすね!パンローリングには大分高い金を払ってきたがいまだ素晴らしい本には出会ってないです。永遠に通用するテクニカル手法はないですね!リーマンショックのときはポイント&フィギュア 松本哲郎 そして季節とか!あれこれ言うがそれもどんどん変化している。通用しなくなっている。そんな中で生き残るのは大変。
コメントありがとうございます。
そうですね‥。本をたくさん読みましたがほぼ無意味でした‥。