今回検証したのはラリー・ウィリアムズの短期売買法に記載されている「アウトサイド・デイ」です。
アウトサイド・デイの有効性
水色の枠の左側のローソク足よりも右側のローソク足の方が大きく、終値が前日の高値より高ければ売り、安値より安ければ買います。(図の例では買いです。うまく短期的な反転を捕らえています。この場合は、ですが。)
このシグナルは滅多に出ない、と書かれていますが上記の条件だけであれば7年で270回程度出ています。(日足・ユーロ/米ドルで調査)
手仕舞い条件を「買いの場合、高値更新できなかった次の日に手仕舞い。売りの場合、安値更新できなかった次の日に手仕舞い。」としたところ、勝率は約5割程度。優位性があるという程でもない、という結果になりました。
相場の反転をうまくつかむこともあるのですが、トレンドが発生している場合にはダマシが多くなってしまいます。
何らかのフィルタを入れてあげれば、改善できるかもしれません。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法では「アウトサイド・デイ(包み足)」と書いてあるのですが、包み足は陰と陽の組み合わせの事であり、そのような記述はないので包み足とは違うのではないか、と思います。
・・・あっ!もしかして・・・包み足を使った方がいいかもしれません!?
包み足の有効性
陰線(下落)の後の陽線(上昇)が前日の高値より高い高値になり、前日の安値より安い安値になった場合(包み足になった場合)、その上昇は「反転と見せかけたダマシ」と考えて売ります。
陽線(上昇)の後の陰線(下落)が前日の高値より高い高値、前日の安値より安い安値になった場合(包み足になった場合)、その下落も「反転と見せかけたダマシ」と考えて買います。
昨日のアウトサイド・デイ検証で使用した図も包み足になっています。
※陽線(黒)の後の陰線(白)なので、下落はダマシとみて買う。
バックテスト結果
7年間のトレード回数は210回に減少しましたが、勝率の方は50%を割り込みました・・・。
そこで「ダマシではなく真性の反転と考えて、売買シグナルを逆に使う」ようにしてみましたが、これも50%割れ。
どうやら、前日(包まれた方)の足が陰線か陽線かはあまり関係ないようで。
オリジナルのアウトサイド・デイを使う方が良い結果になりました。(それでもトントンくらいでしたが、もう少し手を加えれば優位性のあるシステムは作れるのではないかと思います。)
ふと、上の図を見ていると「包み足になる1つ前の足(水色枠の直ぐ左隣)が陰線になっています。
前日の足が陽線か陰線かではなく、前々日の足で判断したらどうか?と考えてバックテストしてみたところ、トレード回数は160回に減少し、勝率は50%を僅かに超えました。(前日の陽線・陰線判断ロジックは消しているので、オリジナルのアウトサイド・デイからの変更になります)
アウトサイド・デイが発生する2本前の足を判定
「アウトサイド・デイが発生する2本前の足が陰線か、陽線か」をフィルタに加えると勝率が上がる事を発見しましたので、このロジックが本当に有効かどうかを他の通貨ペアでも実施することで確認してみます。
条件:日足 2005/1/1~2011/12/10
EUR/USD : 50% → 54%
USD/JPY: 42% → 44%
GBP/USD: 48% → 46%
AUD/USD:47% → 44%
EUR/GBP: 42% → 39%
勝率が上がったのはユーロ/米ドルと米ドル/円だけ。 この結果を見る限りでは、優位性はないものと考えた方がよさそうです・・・
また、この調査で「ユーロ/米ドル以外はアウトサイドデイの勝率は50%を超えていない」という非常に残念な結果となっています。
実際にチャートを確認すると、まれに短期的な反転を掴めるようですが長期的にみれば、それほど利益の出せるシグナルではないようだ・・・というのが私の結論です。(少なくともFX市場では)
以上の結論より、本日で「アウトサイド・デイの検証」は終了とします。
(※他にも色々と検証してみて、アウトサイド・デイの勝率が他のものよりも良いようだったら戻って再検証するかもしれません)
次回からは、アウトサイド・デイと同じく、「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」に記載されている「スマッシュ・デイ」を検証してみます。
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