今日は「フルタイムトレーダー完全マニュアル」に記載されている「スキャルパープレー」の検証をします。
スキャルパープレーとは
ルールは非常に簡単で、「終値で3日間高値を更新し続けたら買い。安値を更新し続けたら売り。」です。
1、2、3と終値で下落していたら売り。
1、2、3と終値で上昇していたら買い。
「反対の売買シグナルが出たら手仕舞い」するので、純粋なドテンシステムになります。
(売っている時に買いのシグナルが出たら売りを決済して買いを入れます。買っている場合は逆です。)
・・・こんな簡単なルールで本当に勝てるのでしょうか?
バックテスト
<検証結果> ユーロ/米ドル 日足 2006/1/1~2012/1/1
勝率は40%を切っていて、平均利益が$190、平均損失が-$138.5となっています。
トレンドが無い時にはかなりダマシにあいます。(資産が半分近くまで減少してしまいました・・・)
<検証結果> ユーロ/米ドル 1時間足 2006/1/1~2012/1/1
1時間足を使用すると破産しました‥。
書籍では「5分足でも1時間足でも日足でも使える」と書かれていますが、短くすると勝率が下がっていきます。
しかし、どのような足を使用しても 平均利益>平均損失になっているのでフィルタを入れて勝率を上げられれば資産曲線は上向くのではないかと考えました。
ストップロスの追加
書籍の方をじっくり読んでみるとFX市場ではストップをおいていました。
売りの場合には最後の足(3本目)の高値、買いの場合には最後の足(3本目)の安値におきます。
<検証結果> ストップ付き ユーロ/米ドル 日足 2006/1/1~2012/1/1
勝率は2割そこそこと非常に悪くなりましたが、代わりに平均利益が$203.27、平均損失が-$55.07となりました。
ストップを置いた方が良い結果が出せるようです。
スキャルパープレーの改良
書籍を読むとトレンドの無い(ちゃぶついている)時には手を出さない方がよいと書かれていますので、3日ATRが一定以上の大きさの場合のみ売買シグナルを有効としてみます。こうすることでダマシにも多少は強くなると思われます。
また、これはトレンドフォロー系の仕掛けですので、別の指標でトレンド方向を確認し、指標と同一の方向にのみ仕掛けるようにします。
色々と試してみたのですが、20日CCIを使用して0ラインより上であれば上昇トレンド、下であれば下降トレンドと判断して仕掛けるのが良さそうでした。
また、想定どおり一定以上の利益が出た場合にはリスクを軽減するために売買を開始した価格までストップを移動し、資金を守るように修正しました。
上記の対応を全て入れた結果がこちらです。
勝率は約6割と改良前の2倍になりましたが、2008年以降はイマイチです。(25回目~40回目くらいまでのトレードの成績が良かっただけ、のように見えます)
去年(2010年度)の勝率も良くはないです。
また、米ドル/円や米ドル/ポンドでも試してみましたが、どちらも損失が発生してしまいました。
ちょっと実運用には耐えられそうにありません‥。
これで今回の検証は終了‥と思っていたのですが1時間足の資産曲線が上記の条件を加えると、かなり改善したので次回は1時間足でもう少し改良・検証を行ってみます。
短期足でのスキャルパープレー
「期間を短くすればするほど勝率が落ちていく(資産は綺麗に右肩下がりになる)」ので、日足で使用するのが良いと仮定して前回は日足で検証を行ったのですが、日足用にATRやCCIでフィルタをかけたシステムを1時間足に適用してみたところ、勝率が上昇し、資産も増加傾向が見られたので今回は短期足(1時間足)で検証してみます。
<検証結果> ユーロ/米ドル 1時間足 2007/1/1~2012/1/1
日足と違い、直近でもそこそこ勝利しています。
CCIの期間には日足と同じパラメータを使用していたのですが、1時間足と日足では違うだろう・・・と最適化を実施しました。
<最適化後>
CCIの期間は35~40くらいが良い結果となりました。(カーブフィッティングの恐れはありますが)
勝率は45%程度、平均利益が平均損失の約2倍になっています。
結構使えそうな雰囲気です。
他の通貨ペアでもチェックし、優位性を確認してみます。
通貨ペア:ポンド/米ドル
通貨ペア:豪ドル/米ドル
他の通貨でもそこそこ使えそうです。
(CCIの期間は変えず、仕掛け時のATRフィルターのパラメータだけ変更しています。)
※ちなみに、米ドル/円はイマイチでした・・・。
15分足でも試して見ました。
通貨ペア:ユーロ/米ドル 15分足
ATRのフィルタがきついようで、1時間足よりもトレードが回数が少なくなりました。(フィルタをゆるくするとトレード回数は大きく増えますが勝率が落ちてしまいます。利益は出せるのですが安定感はありません。)
また、5分足でも試しましたが15分足とあまり変化はありません。1時間足が一番安定しているかな・・・と。
まずまず良い結果が出たようなので、1時間足を使用したスキャルパープレーシステムのフォワードテストを本日より開始します。
スキャルパプレーについて まとめ
スキャルパープレーには優位性があるようです。ただし、トレンドが無い相場、ちゃぶついた相場では使用しないかシグナルを無視しましょう。(これはフルタイムトレーダー完全マニュアルにも記載されています)
また、トレンドの方向にのみ仕掛ける方が良い結果になります。
次回は「フルタイムトレーダー完全マニュアル」に記載されている「スクイーズ」を検証します。
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