買って動かすだけでお金が儲かるなんて都合の良い話、あるわけがないですよね?自動売買システム、開発の裏側とは‥

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前回の「巷で販売されているAI自動売買システムなんて疑ってかかったほうがいい」とも関連しているのですが、今回はAIに限らず「自動売買システム」全般の話です。

かなり好き勝手に書いたのでご不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。文句のコメントは入れずにブラウザバックしてください!

自分の「歯に衣着せぬような露骨な文」が好き、あるいは耐性のある方のみお読みください(笑)

自動売買システムで稼ぐ!

まずは私の話をしましょう。自動売買システムで月数十万程度の利益を出していたこともありました。当時はサラリーマン(ソフトウェアエンジニア)で給料をもらいつつ、この月額収入を手にしていたのです。バカバカしくて働きたくなくなりますよね、そして会社をやめました(笑)

自動売買システムで稼ぐことは可能なのです。ただし、その自動売買システムはだんだんパフォーマンスが落ちてきまして‥自分で開発したものだったので調整やプログラムの修正で延命させていましたが、1年後には完全にスクラップと化しました‥!(諦める原因となったのは巨大な損失であり、その時に利益をかなり吐き出しました‥)

購入した自動売買システムで稼ぎ続ける人もいますが、自分が知る限りでは楽をしているわけではありません。相場の状況に合わせてパラメーターの調整や相場に合ったEAとの入れ替えなど、やることは結構あるようです。

そもそも「これを買って動かすだけであなたはお金持ちになれます!」などというものが、本当に存在するのでしょうか。常識的に考えて「ありえない」と思いませんか?そんな「聖杯」のようなものがあるなら、販売せずに自分だけ稼いでお金持ちになればいいじゃないですか‥!

簡単に作れるナンピン・マーチンゲール系システム

ナンピン、マーチンゲール系のEAは数多いです。作り手としてみれば作りやすいシステムで、かつ、購入者からも人気があるようです。お金がある限り、100%に近い勝率で稼ぎ続けてくれるのがメリットになります。

資金が尽きない限りは勝ってくれるので、口座が破産するまでは優れたシステムだと認識されます。

それでは私が2日ほどで作ったナンピンシステムを披露しましょう。

NinjaCatと名付けたこのシステムはナンピンシステムではありますが、一方向にポジションを持ち続けるものではありません。買いポジションを持っていても「不利」だと思えば売りポジションも持ち、トータルが利益になったところで決済します。

ポジションのコントロールにはかなり気をつけて作りました。大きく稼げるようなEAではありませんが、リスクを最小限に抑えるように作っています。

0.01ロット固定だと以下のようになります。

最大ドローダウンが1253.95ドルとなっていまして、0.01ロット当たり「最低でも1253.95ドル程度のドローダウンを見込んでください」ということになります。(もう少しドローダウンを上げる代わりに利益を増やすようなロジックにすることもできます。今回は利益よりもドローダウンを抑えることを主目的としました。)

さて、このように「勝てるEA」を作ることは難しくありません。(ちなみにフォワードテストでもバックテストと大差ない結果が出ます。この手のEAはバックテストとの乖離も少ないです。)

「破産しづらいように」と気を使って作りましたが、それでも「絶対に破産しません」とは言えません。あくまでも「過去の値動きでは破産しなかった」というだけに過ぎず、「過去には無かった値動き」によって大損することもありえます。

この手の「ナンピン・マーチンゲール系システム」で痛い目にあった方も少なくないと思います。実は私もその一人です(笑)

開発者はお客さんを破産させるつもりでは作っていません。できる限り破産しないようにリスク管理を徹底して開発・販売していることでしょう。

ですが、どんなにリスク管理をしていようとも、ドローダウンを低く抑えようとも、この手のシステムは「破産」から完全に逃れることは絶対にできません。

「比較的安定して、コンスタントに稼いでくれる」反面、「破産のリスクは常にある」これがナンピン・マーチンゲールシステムの実態です。(そして多くの人々がこれにより破産していきました‥)

スキャピングシステムとバックテストの嘘

自動売買のメリットは高速で判断することですから、スキャルピングは得意な分野です。

ですが、リアル口座でしっかり結果が出せるものを作るとなると、かなり難しいです。バックテストやデモ口座では「滑る」ことはありませんが、リアル口座では「滑る」ことが多いため、バックテスト通りの結果がでにくいのです。

朝スキャなどは最たる例で、「スプレッドが開きすぎてトレードしてくれないことが多い」「とんでもなく滑る」など、リアル口座では問題が多発します。(ずいぶん昔、WildCatSniperというEAを作って売っていましたが‥その節は申し訳ありませんでした。自分の経験不足でフォワードでの動きを把握しきれていなかったのです‥。)

そこで上手くいきやすいように条件を付けます。「短期的にうまくいくもの」です。1年も持てば十分と割り切って作ります。それでも「ちゃんと勝てるもの」となると「ナンピン・マーチンゲールシステム」よりも難度は高いです。

「バックテストでは10年以上勝ち続けてるって、バックテスト結果も載っている‥?」

そりゃそうです。売っている人が「そのうち使えなくなるんじゃないかと思っています」なんて言いませんから(笑)

ちなみに購入した自動売買システムで生計を立てている方は「1~2年使えれば十分」くらいに割り切って使っていたりします。(使えなくなったら外して違うものと入れ替えるようです)

さて、バックテストに話を戻しますが、バックテストでは滑りませんし、発注に逆指値や指値を使っているなら、指定した価格で決済できます。指標発表等で一気に動いた時であっても‥たとえチャートでは窓が空いていてもです。窓の空いた空間で発注や決済ができます。すごいですね!(笑)

バックテスト結果を誤魔化すこともできます。

簡単な方法ではバックテスト結果を書き換える方法。HTMLで出力されますからエディタで書き換えられますし、画像ならペイントソフトで書き換えてもいいです。

そんな方法ではバレることもあるでしょう。そこで、もう少し工夫しましょう。「勝てない期間は違うロジック、違うパラメーターで動かす」という手法です。

   datetime time = StringToTime("2005.10.30 23:59");
    
  if(time > TimeCurrent())
   {
      TakeProfit = 0.014;
      TakeProfit2 = 150;
      BuyRange = 0.06;
      SellRange = 0.32;
      BuyMA = 8;
      SellMA = 30;
      CloseSummaryLoss = -0.16;
   }

2005年10月30日以降だったらパラメーターを書き換える。というプログラムになります。

こんな感じでうまくいくように期間毎にパラメーターを最適化(?)してうまく動いているように見せられます。ちなみにこれは他人を騙して売りつけるならこんな感じで作ればいいかな?と考えて作っていたものです。もちろん、そんなものは販売していません。考えただけです(笑)

うまくいくパラメーターがなければ、うまくいかない期間だけ、ロジック(売買アルゴリズム)そのものを変えてしまっても良いです。それはもう違うシステムでは?という気もしますが、内部ロジックがブラックボックスになっていますから、客側が見抜くことはほぼ不可能。

自分のようなEA開発者でもこういった「嘘」を外から見抜くのは非常に難しいです。(そして、もし仮に「嘘くさい」と気づいたところで、「購入した後」ではどうしようもありません。)

疑ってかかると全部怪しい

ここでとあるEA販売者の言葉をお借りしてきます。

「お金を稼ぐシステムを売っているのではないんです。夢を売っているんです!」

彼はドヤ顔でそう言った。

もちろん、悪意(?)を持った人達ばかりではありませんが、心底から「お客様にお金を稼いで幸せになって欲しい」などと考えて販売している人は100人に1人もいないでしょう。

中には自分が儲かればそれでよく、他人に損させることで自分が儲かろうとする輩もいます。いわゆる詐欺商品ですね‥。FX界隈では非常に多い商法(?)なのですが、今回取り上げているのはそういった詐欺商品の話ではありません。

私も色々なツールを売ってはいますが、お客様に「勝って欲しい」「稼いで欲しい」とは別に思っていません。儲けようが損をしようが、それはお客様の問題なので。もちろん「お陰で利益が出せました!」とか言われれば嬉しいですけど、それは私のお陰というよりもお客様の努力の成果でしょう。

ちなみに「設定に間違いがあったのか損失が出ました!」とか言われても「そうですか。残念でしたね(はなほじ)」くらいにしか思っていません。自分のプログラムのミスとかで損失が出たのであれば罪悪感ありますけど、そうでなければ特に何も‥(笑)

自動売買システムを購入される場合には騙されることも覚悟の上で、「ダメならダメで仕方ない」と割り切ってご購入ください‥!

間違っても「これを買えばお金持ちになれる」などといいう夢を見てはいけないのです‥!

私は自動売買システムをおすすめしない

実を言うと自分の販売しているツールの中ではEATradeStopという「自動売買システムを指定した条件で停止・再開する」というツールが一番売れていまして、自動売買システムを動かしている人がたくさんいらっしゃるようです。

もちろん、その中にはちゃんと稼いでいる人もいるのでしょうけど、大半は失敗してお金を溶かしているのではないでしょうか‥?(自分が思っているだけで、実はたくさん成功者がいたりするのかもしれませんが、自動売買でお金持ちになった人というのは聞いたことがありません‥。)

「FXは9割が1年で退場している」と言われたりしますが、自動売買システムの場合も似たようなものではないかなと思っています。

どうしても自動売買システムにこだわるならプログラミングを勉強して自分で自動売買システムを作るか、自動売買システムは諦めて自分でトレーディングの技術を学び、経験し、身につけた方がずっと使えるスキルが手に入って絶対お得だと思うのは私だけなのでしょうか。

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