今はトレンドフォローがほほえむ時代なんだ!

ZigZagBreakOut
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2018年頃に横行していたドル円逆張り無限難平

ご存知の方も多いと思いますが、2016年から2021年までは比較的値幅が狭く大きなトレンドが発生しない時期でした。

職業柄(?)EA開発者とやり取りすることも多く、この頃に連絡いただいた方に多かったのが「ドル円逆張り無限難平型」でした。

想定レンジは(おそらく100円から120円程度)で無限に難平していくという手法で、「相場が大きく動かない(レンジ内に価格が収まる)」ことを前提としています。

私は古いタイプのトレーダーですから、2008年の「サブプライムローン問題」を発端とした超円高を経験しており、2000年頃はFXをやっていませんでしたが、株式投資はやっており「ITバブル崩壊」も経験しております。

リーマンショックで円高
リーマンショックを発端としたサブプライムローン問題で超円高、その後、2012年からは120円台まで戻る円安

そういったわけで、数年に1度くらい「大きな値動きのある時期がやってくる」ことを経験として知っているため、こういう「ドル円逆張り無限難平」などという恐ろしい橋は渡りたくありません。

十数万円するような超高価なEAを無料でいただいても使うことはありませんでした。(良いものだったらブログで紹介します。と言ってもらうんですけど、無限難平だったらすぐにゴミ箱行きです。)

2022年世界は核(えんやす)の炎に包まれた!

若い方は2008年の問題もあまりご存知でなく、直近のパフォーマンスだけみて良いものだと思って買ってしまうようで、私が危険視している「逆張り無限難平」のものでも利用しているようでした。

実際、2016年頃から2021年までは特に問題なく利益を出してくれていただろうと思います。

しかし、その安寧は長くは続きません。それは新型コロナウイルスと共に‥ではなく、コロナウィルスが落ち着いてきた頃に発生しました!(新型コロナウイルスのときはあんまり反応しなかったんですよね‥。この頃もリアルタイムでチャートを見ていたのでよく覚えています。)

2022年、世界は円安の炎に包まれたのです。上記の「逆張り無限難平」でコツコツ稼いでいた方にはまさに「青天の霹靂」だったでしょう。私は「いつかくるだろう」と思っていましたから、「ついに来たか」くらいの印象しかありませんでしたが。

「逆張り無限難平」を動かしていた口座の殆どは焼き払われ、サポート用コミュニティは阿鼻叫喚。EAを販売していた人は逃げ出して連絡が取れなくなりました。

同じEA開発者として弁護すると、「お客様に損をさせようとしたわけではない」と思います。作った側も知らないんです。それがどれだけ危険であり、急騰・急落がいつ始まるか予想できないことに。(中にはいつかは使えなくなることを理解した上で、「損をするのは客だしどうでもいい」という人もいるかも知れませんが‥。)

気がついたときには時既に遅し。取り返しのつかないような損失に膨れ上がったようでした。(早めに損切りして辛うじて生き残った方もいらっしゃいました。)

トレンドフォローがほほえむ時代なんだ!

ようやく本題です。2022年からは急激な円安が始まり、上げるにしても下げるにしても大きく動くようになりました。ここからトレンドフォローの時代です。

「逆張り難平系」が丸焼けになった原野からニョキニョキと生えてくるトレンドフォローEA。ご多分に漏れず、当方が昔開発したEA、ZigzagBreakoutEAも普通に勝てるはずです。)

おそらく何も手を加えなくても勝てるだろうと考えてフィルタは全部外しました。単純にZigzagの頂点をブレイク(価格が抜けたら)トレード開始、SLとTPを設定、それとトレーリングも使いました。(詳しい内容は上記の「Zigzagブレイクアウト」の記事を御覧ください

バックテスト:USDJPY 2021年1月~2024年2月

今年2月までなのは調査を初めたのが3月末で、3月の1分足データがまだ来ていなかったためです。

ロットは固定、PF 1.80。円安相場の方が強いので買いポジションの方が勝率が高くなっています。買いのみに縛ったほうが効率が高くなりそうです。

トレード回数が少ないのはSLとTP、トレイリング幅を大きく取って、できるだけ長くトレンドに乗るように設定しているからです。

※SL=90Pips,TP=200pips,トレイリング開始=170pips,トレイリング幅=60pips

バックテスト:USDJPY 2016年1月~2021年1月

パラメーターを変えずに2016年から2021年1月までバックテストしてみたところ、一応、利益はでていますが危ない時期もあり、安定していません。

トレンドフォロー系のEAは苦戦していた時期なので当然でしょう。一応、最適化もしてみました。

強いトレンドがほとんど無いため、SLとTP、トレイリング幅を狭くすることで対応できなくは無いようです。代わりにトレード回数がかなり増えました。

※SL=30Pips,TP=80pips,トレイリング開始=70pips,トレイリング幅=50pips

しかし、この時期は無理にトレンドフォロー系EAを稼働するよりも、逆張り系の方が機能する相場でした。

バックテスト:EURJPY 2021年1月~2024年2月

ユーロ円チャート

チャートを見ると2020年あたりから上昇トレンドが発生しているように見えます。

これならトレンドフォロー系EA「ZigzagBreakOutEA」が機能しそうです。試しにUSDJPY(2021年1月~2024年2月)で使ったパラメーターをあえて弄らずにバックテストしてみます。

EURJPY用に最適化していない割には機能しているように見えます。強いトレンドが出ていれば勝てると考えていたのでこういう結果になるだとうとは予想していました。

これも一応、最適化してみます。

USDJPYよりも良い結果になりました。

他の通貨ペアでも金(GOLD/XAUUSD)、仮想通貨(暗号資産)でも使える

今回はUSDJPYとEURJPYでバックテストしましたが、強いトレンドさえあれば「どの通貨ペアでも使用可能」です。

金(XAUUSD)や銀(XAGUSD)や仮想通貨(暗号資産)でもなんでも使えます。

逆に言うと「強いトレンドが発生していない相場」では強くありません。

良くてトントン、最悪、損失ばかり出すダメなEAになる可能性があります。

「ただ買って動かすだけ」では勝てません。(一時的に勝てる可能性はありますが、勝ち続けることはできません。)

これはすべてのEAに共通することだと思います。

ほぼすべてのEAは陳腐化する

EA販売を主業務としているゴゴジャン(gogojungle)というサイトを見てみます。

出たばかりのEAが勝っているのは珍しくないので、あえて古いEAを確認してみました。

「全期間」にして売れ筋の1位から3位までのレビュー。

まずは1位のレビューから‥

2021年でレビューが止まっていました。(丁度、ドル円相場に上昇トレンドが発生し始める頃ですね。偶然の一致でしょうか?)

全然勝てなくなり、バージョンアップもされなくなって放置されたようです。新しいレビューには好意的なレビューはほとんどありませんでした。

次に2位のレビューから‥

このEAのレビューが顕著な例ですね。昔は勝てていたけど、勝てなくなったというレビューです。

比較的新しいレビューにも好意的なレビューが入っていたのでバージョンアップがあったかもしれませんが、最後のレビューが2021年。これも1位のEAと同じようなタイミイングで「終わった」のでしょう。

次に3位のレビューです。もういらない気もしますが念の為‥。

これも昔は勝てていたけど勝てなくなったEAの一つのようです。こちらは2019年でレビューが止まっています。

また使える時代がくるのか、それはわからない。

「終わった」EAがまた勝てるようになるのか、それはわかりません。仕組みによります。

ZigzagBreakoutEAのような「非常に単純な仕組み」で出来ているEAは、パラメーター次第で何度でも使えます。(やっていることは「ごく単純なブレイクアウト」だからです)

強いトレンドがあるならまず勝てるはずです。ただし、苦手な相場(トレンドレスな相場)ではブレイクアウトのダマシが頻発してなかなか勝てません。

相場に合わせてパラメーターの変更が必要だったり、場合によってはロジックの変更も検討したいところです。

トレンドレスな相場であれば、トレンドフォローよりもカウンターロジック(逆張り)の方が有効な場合が多いでしょう。

そのために私はZigzagBreakoutEAにソースコードを付属して販売していて、実際、これを元に改造して利益を出し続けているというお客さんが何人もいらっしゃいます。

まとめ

今はトレンドフォローが微笑む時代。

しかし、このトレンドフォロー相場も永久に続くわけではない。

いずれは落ちつく時代も来る。

相場の変化を見逃さず、変化した時の対応力が必要。

今現在、EAで勝てるようになったと喜んでいる方も、「相場が変化すると通用しなくなる可能性が高い」ということは忘れないでください‥!

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