MT4の約定速度(レイテンシ/遅延時間)の調査~米国と日本の違い

FX検証記事

発注速度(レイテンシ)の計測と日本と米国VPSの速度比較

MT4の約定速度(レイテンシ)とは

レイテンシ(レイテンシー)とは業者に発注を出してから約定してMT4に「約定しました」と返答が返ってくるまでの時間です。

数十ミリ秒~数百ミリ秒程度の時間がかかります。

これが速ければ速いほどトレーダーに有利であり、レイテンシが遅いと「スキャルピング」などでは死活問題になりえます。

調査方法

レイテンシを調査するEAを使います。

LatencyEA.mq4

(右クリックメニュー→ファイルとして保存 等で保存してください)

ある人から頂いたもので、公開して良いものなのかわかりませんが・・・開発元のサイトを見るとたくさんEAが売っているので販促用に無料で公開されたもの・・・でしょうか。

開発元サイト http://www.mellyforex.com

※もしも問題あるようだったら削除します…

Axioryのレイテンシが遅くなった?

Axiroyの日本サーバーができてから、米国VPSで稼働しているMT4のレイテンシが遅くなったという噂が流れていました。

「スキャル系のEAは、ほぼ全滅」とか・・・。

幸い当サイトで開発・販売しているZigzagBreakoutEAはレイテンシの影響を受けづらい(逆指値注文を入れて待つタイプのEAです)ので、それほど気にしてはいませんでしたが「成行決済」を併用するとなるとレイテンシの影響は少なくなさそうですので調査してみることにしました。

まずは私の使っているW2Cloudという米国のVPSで測ってみます。

W2Cloudはメモリ2GBが年払いで月17.9ドル程度の「日本のVPSより安価で利用できる米国VPS」です。

レイテンシ調査

米国VPSのレイテンシ

Axiroyの速度です。

米国サーバー Axioryレイテンシ

1日放置した結果になります。

最速でも171ミリ秒。平均228ミリ秒はお世辞にも速いとはいえません・・・

ちなみにTitanFXは以下のようになっています。

TitanFX 米国サーバー レイテンシ

最速47ミリ秒で平均125ミリ秒。Axiroyより大分速いです。

最遅は400ミリ秒程度になるのはAxiroyTitanFXも同じ模様。

日本VPSのレイテンシ

今回の調査では「お名前.com デスクトップクラウド」を使いました。

ここは日本サーバーと米国サーバーが選択できますが、私が使っているのは日本サーバーになります。

Axiroyのレイテンシはこちらです。

Axiory 日本サーバー レイテンシ

最速で31ミリ秒、平均133ミリ秒と米国サーバーのTitanFX並の速度がでました。

やはりAxiroyを使用するなら日本サーバーということになるでしょう。

TitanFXの場合はどうなるでしょう。

WS004042

これはひどい・・・!米国サーバーと比較すると雲泥の差です。

Axiroy以外の(日本にサーバーを持っていない)海外FX業者は米国サーバーを使用するのがベターです。

おすすめはW2Cloudですが、サポートもすべて英語になりますので・・・英語が苦手な方はお名前.com デスクトップクラウドの米国サーバーを選択すると良いと思います。(お名前.com デスクトップクラウドは米国サーバーも選択できます)

楽天(旧FXCMジャパン)のレイテンシ

ついでに日本の業者も調べてみました。

まずは米国VPSのレイテンシです。

WS004044

残念なくらい遅いですね・・・。

次に日本VPSのレイテンシ。

WS004043

Axiroyには劣りますが、米国VPSより良い結果になりました。

しかし・・・お名前.com デスクトップクラウドの最遅レイテンシは米国VPSよりすべての業者(Axiory,TitanFX,楽天)で遅いのはなぜでしょう・・・。

VPSそのものの能力差によるものなのでしょうか?

まとめ

  • レイテンシの調査にはLatencyEAを使うと便利
  • Axiroyや日本の業者を利用する場合には日本のVPSが良い
  • 日本サーバーを持たない海外業者は米国のVPSが良い

最遅レイテンシについては・・・もう少し調査が必要になりそうです。

VPSのメモリについて

W2Cloudは2GBを選択すれば良いと思いますが、お名前.com デスクトップクラウドなどの日本のVPSは1GBは安価でも2GBにすると価格が跳ね上がります。

2年契約にすると月利用料は安くなりますが9万円ちかい出費になってしまいますので、1GBがおすすめです。

※当サイトで販売中のZigzagBreakoutEAは負荷があまりかからないので1GBでもまったく問題なく動作します。

MT4を3つインストールして起動していますが、サクサク動いていますので余程動作の重いEAや沢山のチャートを使うEAでない限りは3つ程度までなら稼働できるのではないかと思います。

MT4のリソース(CPU・メモリ)を節約するための幾つかの方法

MT4にはリソースを節約する設定がいくつかあります。

1.気配値の非表示

左上に表示されている「現在の価格(気配値)」を使用しているチャート以外、非表示にします。

やり方は簡単で、気配値の上で右クリック→すべて非表示を選択するだけです。

「すべて非表示」にしてリソース(メモリやCPU)を節約する

すべて非表示

他の通貨ペアが見たい時には「すべて表示」を選択すると表示されます。

2.チャートのバー数を減らす

MT4メニューのツール→オプションを選択し、オプション画面の「チャートタブ」を選択します。

WS004047

ヒストリー内の最大バー数とチャートの最大バー数の規定値は大きめの数値が入っています。

設定はEAにもよりますがこんなに使うEAはあまりないので減らしてしまいましょう。

私がZigzagBreakoutEAを設定する場合には両方2000としています。(Zigzagの1つ前の頂点が取れれば良いので2000でも多いです。1000とか500とかでも問題無いのではないかと。少なくする場合にはZigzagをチャートに設置して確認してみると良いと思います。)

大抵のEAは2000あれば(経験上)動作します。

(ごく稀に多くのバーを使用するEAがありますので絶対大丈夫とは言えません…)

3.不要なオプションをOFFにする

サーバータブの「ニュースを有効にする」は不要のためチェックを外します。

WS004048

VPSで稼働させる場合、音声も不要ですのでチェックを外してしまいます。

WS004050

他にも有効な設定があるかもしれませんが、私が設定しているのはこのくらいです。

節約して起動すれば意外と多くのMT4が起動できるので、設定していない方はお試しください!

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